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琥珀と樹脂の不思議【Q&A編】

research-with-child.hateblo.jp
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樹脂と琥珀シリーズ最終回は、樹脂・琥珀磨きの中で子供から出た面白い質問と、親の回答(+考察)をまとめたいと思います。



Q. 琥珀はどうやって出来たの?


A. 一千万年も昔の樹脂が固まって出来た


 

Q. 琥珀は普段どこにあるの?


A. 地面の下には昔の地面とか枯れた木が積み重なってて、石炭みたいになった枯れ木の中に入ってる


 

Q. 琥珀はどのくらいの深さにあるの?


A. (場所にもよると思うけど)超高層ビルくらいの深さかな


 

Q. そんな昔に出来たのに、なんで琥珀は見た目が樹脂のままなの?


A. 樹脂にとっての一千万年は人間にとっての一年くらいかも知れないね


 

Q. じゃあ、琥珀はいつまで琥珀のままなの?


A. それは謎だ!

謎ですが、最古の琥珀から考察するに、保存状態が良ければ三億年以上は見た目が変わらないかと思われます。というのも、現在発見されている最古の琥珀は約三億年前の石炭紀のものらしく、大きさは5mm程度ですが、しっかりと色も光沢も確認できます。それよりも昔となると、人の大きさ以下の植物しか生えていなかったらしいので、樹脂自体、地球上に殆ど存在していなかったと考えられます。

しかし、いざ数億年保存しようと思ったら、保存場所は慎重に考える必要があります。第一に、数千万年で日本列島が誕生したり、数億年で大陸が大移動したりと、地面は激しく流動しています。第二に、琥珀有機物なので、数十キロも地中深くに沈んでしまうと熱と圧力で変質してしまう可能性があります。その様なことを考えていると、三億年前の琥珀が発見されたことが奇跡の様にも思えます。
琥珀から少し考察範囲を広げてみると、地中深くのマントル有機物の痕跡が見受けられるという報告もあり、有機物の存在する限界深度はまだまだ謎に包まれている研究テーマなのでは、と妄想が広がります。



以上です。お読みいただきありがとうございました。
 


参考URL:

・最古の琥珀Identification of Carboniferous (320 Million Years Old) Class Ic Amber | Scienceのことです。
マントル有機物痕については★★ 三村耕一のホームページ ★★にて研究が進められている様です。
琥珀の全般的な情報は琥珀 物知り博士に詳しく書いてありました。